■講 演「ウイルスを正しく知ろう!」
森 康子 氏
(神戸大学 大学院 医学研究科・医学部 教授)
ペスト、コレラ、スペイン風邪、そして「新型コロナウイルス(以下、COVID-19)」と100年毎に新たなパンデミックは到来しています。
本講演では、ウイルスをテーマに感染症の歴史から、COVID-19についての感染メカニズム、医療現場の取り組み、予防対策等について、具体事例、研究事例をもとにわかりやすくお話頂きました。
研究の一例として、病原体の侵入に対して、体はさまざまな防御反応を行うことが知られており、例えば、「サイトカイン(自然免疫)」とは、細胞から分泌されるタンパク質で免疫細胞の遊走や活性化を引き起こす一方で、炎症をおこすものが含まれる。COVID-19の超重症患者では、さまざまなサイトカインが多く量産され、それが肺炎などの組織障害の原因であると考えられている。また「中和抗体」とは体内に侵入したウイルスを攻撃し、不活性化する能力のある抗体で、感染からの回復や二度目の感染を防ぐ重要な役割があり、こちらについてもCOVID-19感染者からは高い値が確認された。「中和抗体」は、海外では回復者から採取し、治療目的で用いられている等、様々な内容についてご講演頂きました。
最後に通常のウイルス感染症は、人類の大多数が感染するか、防御可能なワクチン、有効な予防薬や治療薬が世界中にいきわたるまで終息は難しいと考えられているが、COVID-19の姿や有効な対策は少しずつわかってきており、「ウイルスを正しく恐れ、マスク着用や手洗い、ソーシャルディスタンス等の基礎的な感染対策に努め、再び流行しても発生当初のようなパニックが起こらないようにすることが重要である」とコメントを頂きました。
■講 演「今日から始める“セルフケア”」
新田 信一 氏
(蒲エ角散 社長付特任担当 薬剤師)
「セルフケア」とは、健康の維持・増進、疾病の予防や治療のために、自身で健康を確立し、病を予防し対処することです。今般のコロナ禍において、「外出を控える、テレワーク、感染予防に努める」ことはすなわちセルフケアであり、また日常のセルフケアとして、体内時計にそった生活習慣、食べることの重要性、薬の正しい服用による効果等、さまざまな事例をもとにご講演頂きました。 |
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