地球環境技術推進懇談会
2024年度活動方針

〜地球温暖化防止と循環型社会形成 をめざして〜

 


1.方針

持続可能な社会構築の観点からも、現在の気候変動や資源の枯渇、 生物多様性の減少等に対する課題解決は重要であり、経済発展と密接な関係にある環境問題は、環境保全と経済発展を両立させながら解決しなければならない問題である。

日本では、2020年10月に政府から2050年までのカーボンニュートラル実現が宣言されたのに続き、2021年6月に策定された『2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略』に基づいて、様々な地球温暖化防止のための取り組みが推進されている。

また、大阪・関西万博では『ビヨンド・ゼロを可能とする日本の革新的な技術を通して、世界に向けて脱炭素社会のあり方を示していく』という基本方針が設定されており、これら革新的な環境技術には大きな期待がかけられている。

このような地球環境問題の解決に向けた動きと、環境に関する革新的技術の開発、システム検討を進め、これを国内外に展開することにより、地球環境の保全、地球温暖化防止対策に寄与することを目指す当懇談会の活動との関連はますます深まっている。

当懇談会では、温暖化対策、環境経済、循環型社会、エネルギー効率化、省エネの促進、再生可能エネルギー普及拡大、資源の安定供給・利用等の技術開発について、国内外で注目を浴びている地球環境に関する話題を取り上げた、本体活動の講演会・見学会を開催し、産学官の交流を通して、会員各位が環境行動のレベルアップならびに、新たな環境ビジネスの創生につなげるべく活動を展開する。

調査研究は2研究会体制で推進し、それぞれの研究会が個別課題の調査研究に取り組む。「循環・代謝型社会システム研究会」では、地域資源の活用と強靭で持続可能な社会の推進に関する調査研究を課題として活動する。「水再生・バイオソリッド研究会」では、カーボンニュートラルを実現すると同時に、生活環境に潜む危険物から解放された安全で安心な下水道技術に関する調査研究を展開する。

また、これまで培ってきた国、自治体、環境諸団体とのネットワークを有効に活用し、事業の協賛開催等により、効率的な事業運営を図る。

 

 

2.活動計画

    (1)総 会   :年1回

    (2)幹事会  :年2回

    (3)講演会  :年3回

    (4)見学会  :年3回

    (5)研究会活動:循環・代謝型社会システム 研究会(年4回)

                                   〃         WG(適宜)
              水再生・バイオソリッド研究会        (年4回)

2−1 幹事会活動(2回開催)

懇談会の企画、検討、統括機関である幹事会で、会員のニーズを把握しながら、懇談会活動についての基本計画の立案とフォローを実施する。

2−2 本体活動 

(1)講演会(3回開催)

本年度は、下記を候補とし、大学、研究機関、官庁等より専門家を招き、環境に係わる革新的技術の紹介、グローバルな視点での環境最新情報、我が国の環境・エネルギー施策等をテーマに講演会を開催する。また、講演会の開催については、当懇談会の単独開催の他、環境諸団体等との連携による協賛開催等、効率的な運営を図る。

 ○講演候補

・再生可能エネルギーの普及拡大

  ・カーボンクレジット、エネルギー施策

・メタネーション、アンモニアの社会実装 

 ・水素サプライチェーン、液化水素の利用
 ・バイオマスの燃料化・利活用
 ・CO2分離技術

 ・その他(AI/IOT活用、DAC、電力貯蔵技術、新技術)   等

 

(2)見学会(3回開催)

本年度は、下記を候補とし、環境関連の最新設備やシステムを主な対象として見学会を開催する。

 ○見学候補 

    ・CO2分離回収・貯蔵・利用技術     ・バイオマスの燃料化/発電施設

    ・廃棄物の有効利用/リサイクル     ・水素製造/利用技術

    ・再生可能エネルギー関連施設     ・下水汚泥利活用施設

    ・廃棄物自動選別/発電施設    等

 

2−3 研究会活動

(1)循環・代謝型社会システム研究会(4回開催)

 〇活動概要

 当研究会は、環境負荷物質などを対象にその代謝機能を担う技術や社会システムを創造・改善し、循環型社会形成に資することを目的に調査研究を実施している。

政府の取りまとめた「統合イノベーション戦略2022」では、2050年のカーボンニュートラル実現を念頭に、「脱炭素社会」、「循環経済」、「分散型社会」への三つの移行を加速させ、持続可能で強靭な経済社会へのリデザインが必要であることが示されている。また、「革新的環境イノベーション戦略」には、「地域循環共生圏」の構築、「循環イノベーション」として地域資源の活用と資源の地域循環を推進して行くことが示されている。

当研究会では、2021年度より3年間の計画で、次のテーマに関して調査研究を実施している。

テーマ  「地域資源の活用と強靭で持続可能な社会の推進」 (3年計画の3年目)

 

〇主な活動

・産学官の専門家や研究員を講師に招き、技術的課題や社会システム面での課題を調査研究する。 

・地球規模での環境技術の展開、プラスチック等の資源循環への取り組み、海外の循環型経済の動向等について調査研究を行う。

・調査研究に関する事例の施設見学を通して、技術的課題や方向性の調査や評価を行う。 

・自主WG活動(適宜)を実施する。

 

(2)水再生・バイオソリッド研究会(4回開催)

 〇活動概要

当研究会は、持続的な水資源利用の観点から、下水の再生利用や汚泥の資源としての有効活用を図ることを目的に調査研究を実施している。

2020年10月に政府から2050年のカーボンニュートラル実現が宣言されたのに続き、2021年4月には2030年の温室効果ガス排出量を2013年度比46%削減するという新たな目標が掲げられ、地球温暖化対策は下水道事業においても急務となっている。  

一方、水循環系における化学物質や細菌・ウイルスなどの健康リスクの発生源や全体像は、まだ明確には解っていない状態であり、世界的に見ても水循環系の健康リスクへの対応が遅れていると言わざるを得ない状況となっている。

今後は、カーボンニュートラルを実現すると同時に、生活環境に潜むこれら危険物から解放された安全で安心な下水道技術を実現することが求められている。

そこで、2023年度からは、「カーボンニュートラルと安全・安心を同時に実現するための下水道技術」(2年計画の1年目)をテーマとし、2年間の計画で調査研究に取り組む。

 

〇主な活動

・産学官の専門家や水事業の専門家を講師に招き、技術的課題や社会システム面での課題について調査研究する。

・下水道からの資源回収、下水の高度処理技術、AIIOTの活用、下水中のウイルス類の管理・評価等についての調査研究を行う。

・下水道の最新・革新的技術動向の調査を行う。

・調査研究に関する事例の施設見学を通して、技術的課題や方向性についての調査や評価を行う。

 

 

 

 

 


 

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