今回は、腸内細菌叢の検査サービスを開発・展開している(株)サイキンソー 代表取締役 沢井 悠 氏に講師としてお越しいただき、腸内細菌の働きと健康への影響について、科学的にご紹介いただきました。
腸内環境は健康と深く関わりがあり、肌の調子や大腸がん、便秘や下痢などの他、糖尿病や認知症、メンタルヘルスにも関わりがあると近年分かってきています。
腸内細菌には大きく分けて、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つがあり、これまで役割がよく分からなかった全体の6割を占める日和見菌の重要な役割の一つが、腸内で有用な働きをする「短鎖脂肪酸」を作ることで、役割としては腸の栄養・便通の改善・免疫系の調整・炎症抑制・脂肪蓄積の抑制・代謝の促進などがあります。
腸内細菌叢のバランスが崩れると、様々な疾患を引き起こしますが、このバランスを維持するのに一役買っているのが、腸内細菌叢の多様性(菌の総数が多く、種類も多い)であり、腸内環境を生活習慣の乱れやストレスなどの悪影響から守っています。
腸内環境改善のポイントは、@善玉菌を増やす、A菌の全体数を増やす、B菌の種類を増やす、の3つであり、そのためには、発酵食品の摂取や、短鎖脂肪酸を増やすための腸内細菌のエサとなる、食物繊維やオリゴ糖の摂取など、食生活が非常に重要であることを、腸内細菌叢検査結果の実例を交えながら解説いただきました。
また、最後はファシリテーターと参加者からの質問を交え、約2時間の充実した内容となりました。
参加者からは、「腸の働きや菌について学ぶことができた」、「腸内環境がメンタルヘルスや糖尿病などとも関わりがあることを知ることができた」、「腸内環境に関するいろんな話が聞けて参考になった」とのご意見をいただきました。
あわせて、森永乳業(株)、(株)サイキンソーのご協力を得て、サイエンスカフェで紹介のあった検査キット「Mykinso」の実物展示、及びビフィズス菌を増やす成分を用いた飲料の紹介など、テーマに関連した展示と試飲を実施いたしました。 |
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