第一部では、講師よりAIの基礎知識から、AIが私たちのくらしにどのように活かされていくかをご自身の研究事例をご紹介頂きながら、ご講演頂きました。
AIとは、人工的に作られた人間のような脳であり、自ら考える力が備わっている「汎用型AI」が真の意味でのAIで、現在のAIは決められた枠組み(ルール)の中でしか処理ができない「特化型AI」といわれてきました。現在のAIブームの主役「ディープラーニング」では、既存データからルールを獲得し新しいデータにそのルールを適用し、結果の出力を自立的に行うことを可能とし、@音声認識、A画像認識や画像生成・線画着色、B自然言語処理、C異常検知等が実現し、AI技術は驚異的に進化しました。
各分野で急速に拡がるAI活用例として、脳はAIと比較するとエネルギー効率が非常に高く、また40億年かけて最適化された「究極のマシン」です。その脳の超微小で膨大な情報量の脳波信号をAI技術を駆使した「パッチ式脳波計」を開発することにより額に貼るだけで測定出来、認知症早期発見・早期治療等家庭でのセルフケアの実現を可能としました。
パッチ式脳波計は、2〜3年後を目途に、体重計や体温計、血圧計と同様に、手軽にドラッグストア等で購入できるように準備を進められています。
第二部では、フリーディスカッションとしてファシリテーターと参加者からの質問を交え、AIについて、応用の可能性や取得データのプライバシー問題についてなど、様々な切り口からの質疑応答があり、充実した内容となりました。「AIは人間から職を奪うのではないか?」との質問に対しては、自動改札やATMなどを例にあげられ、「科学技術の進化はAIに限らず、常に職を変えてきている。しかし人間にしか出来ないコミュニケーション能力を活用した仕事は山ほどある」と回答されました。
あわせて、AI技術事例として「顔認証で年齢・性別予測と笑顔度測定」の体験や、ヒトの属性の判定やマーケティングの効率化を可能にする映像解析ソリューションの技術紹介を実施しました。
参加者からは、「今まで漠然とした理解であった技術が身近なものになった」「最先端の研究について大変わかりやすいお話であった」「パッチ式脳波計の早期普及を希望する」などのコメントを頂きました。
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