高耐食、高効率、低コストのボイラー管被膜を実現する 飛行中粉末溶融型レーザークラッディング工法の開発
(近畿経済産業局補助事業)
1. 背景
持続可能な社会を構築するために持続可能な開発目標(SDGs)が掲げられている。
中でも地球温暖化問題やエネルギー問題については再生可能エネルギーへの移行やエネルギー効率の改善が急務とされている。
我が国でもカーボンニュートラルが謳われている。電力供給は火力発電が約80%を占めており、主に石炭、天然ガスが燃料として使われている。
石炭火力発電は燃料費が安価である一方CO₂排出量が問題とされ、将来はCO₂削減のため、アンモニア、水素、バイオマス等の混合方式への移行が検討されている。
それに伴いボイラー内の環境はさらに過酷となり、高熱伝導率を維持しつつ高耐久化(メンテナンス効率の向上)が求められている。
2. 目標
発電所等で使用されるボイラー管は激しい腐食環境下で使用されるので、通常、表面に溶射被膜を施すが、耐久性が1年〜2年しかない。
10年間メンテフリーの肉盛り溶接法もあるが、厚膜で熱伝導性が低い、加工費が高額という問題がある。
本研究開発では、飛行中粉末溶融型のレーザー技術と、レーザーの幅広化が可能な回折光学素子(DOE)の技術を組み合わせ、高耐久、薄膜、低加工費で、ボイラー管等に施工できる被膜の加工法を確立する。
3. 成果
2021年度に新規テーマとして提案し、採択された。大阪富士工業と大阪大学により、飛行中粉末溶融型のレーザー技術とレーザーの幅広化が可能な回折光学素子(DOE)の技術を組み合わせ、発電所等で使用されるボイラー管等に施工できる被膜加工法の開発を行っている。
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