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非鉄金属新材料特性データベース

 


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水素吸蔵合金    超塑性材料    形状記憶合金    超電導材料    ニッケル基高温材料    金属触媒材料    高速引張圧縮試験法



  水素吸蔵合金 PCT特性データベース
水素吸蔵合金の水素圧−組成−等温線図(PCT線図)に関して、測定方法の信頼性が高い文献データ300件程度を選定して、そのPCT線図の単位系を統一して、これを電子ファイル化する作業を実施した。これを合金組成や評価機関などで検索できるようにしてデータベース化した。
水素吸蔵合金ユニット特性評価
代表的な実用合金8種類を選定して、JIS H7201-1991「水素吸蔵合金の圧力―組成等温線(PCT線)の測定方法」、JIS H7202-1995「水素吸蔵合金の水素化速度試験方法」、JIS H7203-1995「水素吸蔵合金の繰り返し水素ガス吸蔵・放出特性試験方法」を適応しての実測データを収集した。さらに、上記の標準的評価方法の実用システムでの信頼性を確認するために、小型水素貯蔵ユニットを用いて吸蔵・放出速度を測定した。
  超塑性材料 1990年代の超塑性材料
データベースの源泉は、1990年代(1990〜1999年)の学術論文(学術雑誌、国際会議録掲載等)である。超塑性材料の種類が爆発的に増加した1990年代についてデータベースを構築することを目指した。ここで源泉を1990年代に限ったのは、古くからある超塑性材料については今日でも繰り返し研究に用いられており、1989年以前に遡及せずとも材料の見落としはないであろうと判断したためである。 なお、源泉資料としては、オリジナルのデータを持つ実験系の論文に限り、解説(レビュー)や理論系の論文は対象とはしなかった。また、資料の掲載誌は、国際学術誌および日本国内学術誌を対象とした。非鉄金属材料に限定せず、すべての超塑性材料を対象とした。
実用Al合金、Mg合金の超塑性特性
それぞれ6種類のアルミニウム合金およびマグネシウム合金の市販展伸材を用いて、引張試験法による超塑性特性を調査した。試験には、アルミニウムSX01合金、およびマグネシウム合金AZ31、AZ61、ZK60を用いた。
  形状記憶合金 動的疲労特性(文献調査)
形状記憶合金は温度変化によって変形したり力を発生する性質を有するが、これは他の材料では想像もできない珍奇で優れた特性である。しかし、この特性を応用するために必要な材料設計方法、使用限界、繰り返し特性等が体系的に整備されていないために、利用法を考えている技術者は困惑を感じているのが現状である。上記の必要なデータは今までに発表されたものだけでは不十分であり、体系的に纏めるには共同研究(素材メーカ、応用ユーザ、研究機関)を実施しながら不足データを収集・整備する必要がある。
■定温荷重試験と定ひずみ試験
■定ひずみ熱サイクル疲労試験
振動減衰特性(文献調査)
形状記憶効果および超弾性は熱弾性型マルテンサイト変態が基本になって発現する現象であるため、形状記憶合金では振動減衰効果も一般の金属・合金より著しく、減衰定数は鉄鋼材料に比して1桁以上も大きい。この形状記憶合金の高減衰性が、特に神戸・淡路大地震の後、橋梁や建造物の免震支承や防振ダンパーとして応用されようとしている。しかし、振動減衰特性についての基礎データが不足しているので、文献調査によってそれを収集・整備することにした。
生体適合特性
形状記憶合金の応用利用法で将来最も期待され、現在その応用例が急速に増大しつつある分野は医療関係である。ここ数年の形状記憶合金関連の国際会議で発表される応用例の70%は医療分野への応用であるが本邦における医療関係への応用は諸外国に比較して低調である。これは Ti-Ni形状記憶合金の生体適合性が明確でないために厚生省の認可を得難い状況にあることが一つの要因となっている。
  超電導材料 金属系超電導材料の特性
現在国際超伝導委員会の場で臨界電流、残留抵抗比、銅比、機械的性質等の試験評価の標準化案が審議されており、さらに交流損失、保磁力等の次期項目の提案が計画されている。これらの審議に必要な試験方法の詳細やそれに基づく試験データの採取を行い、データベース構築を実施する。試験内容はCu/Nb-Ti複合超電導線材及びNb3Sn複合超電導線材について、臨界電流、残留抵抗比、銅比、機械的性質等のうち若干の特性(引張試験)とする。1データ/シートとした。
  ニッケル基高温材料 熱伝導率・線膨張係数測定結果
4種類の代表的なニッケル基耐熱合金について、線膨張係数と熱伝導率を測定した。
ニッケル(Ni)を主成分とする耐熱合金はこれまで、石油精製装置、ジェットエンジン、ガスタービンなどのように極めて高温で過酷な環境で使用される構造部材として、広く利用されている。近年、長期エネルギー戦略等の観点からもニッケル基超合金は次世代高効率ガスタービンのための基幹材料とされている。先進的なNi(ニッケル)基高温材料は超高効率複合発電や超高効率コジェネレーション・システムなどにより、グローバルなCO2排出量の大幅削減の可能性を秘めている。
現在のNi基高温材料に関するデータについて、内外のデータ源を調査したところ、Ni基高温材料を使う高温機器・構造物の設計に必要な材料特性データの中で、とくに熱膨張率と熱伝導率の値に信頼のおけるものが少ないということが判明した。そこで、4種類の代表的なNi基耐熱合金について、線膨張係数と熱伝導率の測定・評価を行った。材料の熱伝導率を直接的に測定することは極めて困難なので、熱拡散率、比熱、及び密度を測定して熱伝導率を算出することとした。
  金属触媒材料 触媒性能簡易迅速評価法の開発 (成果報告)
触媒性能は、通常定常状態で測定される。しかしながら、定常状態に到達する過程を追跡して測定することが可能となれば、実験時間が短縮され、得られる知見もより多様となる。本課題では、ステップ添加実験によって貴金属触媒の基本的な触媒特性を短時間のうちに簡易に測定・評価する手法を開発することを目指した。本実験の特色は反応物や生成物の量の時間変化を追跡できることである。反応物と生成物の時間変化の測定は触媒活性の迅速評価のみならず、速度論的なアプローチをも可能とし、反応機構の考察にも有用である。また、触媒の表面の状態は時間の経過に伴って刻々と変化しており、その状態変化を考察するのにも有効である。
TOFの粒子依存性(文献調査)
担持金属触媒の金属粒子径と触媒活性とを関連させ、評価法を標準化するには、いくつかの問題を克服しなければならない。平均粒子径の評価、触媒性能評価における実験条件の差違、担体による効果等である。その準備として、過去に報告されたCO触媒酸化反応および水素酸化反応における粒子径効果に関する文献を整理しデータベースを作成した。触媒活性を評価する指標として、表面原子1個当たりの反応速度(TOF)がしばしば用いられる。担持量が同一の場合、担持金属粒子が小さいほど表面積が増加するため粒子径が小さいほど高活性となるのが普通であるが、TOFを用いた場合、表面に露出した金属原子1個当たりの実質的な活性を評価することが可能となる。
  高速引張圧縮試験法 Al合金の高速引張圧縮特性
本調査研究では、高速材料試験法の代表的な試験法である、ホプキンソン棒法、ワンバー法及び検力ブロック法(検力台法とも呼ばれている)の3つに絞り込み、これら3つの試験法による同一材料に対する高速引張試験を実施し、試験精度、特徴、汎用性などを具体的に明確にした。これにより、高速変形域を含む広いひずみ速度域にわたる材料特性評価法が確立され、試験法の標準化、材料特性のデータベースの整備に向けての基礎資料を求めて、今後の調査研究の一層の発展を図るとともに、“ものづくり”の基礎を成すひずみ速度域を、高ひずみ速度側へ格段に広げて、“ものづくり”の競争社会を勝ち抜くための材料の動特性のデータベースを整備する方法を確立し、社会の発展に寄与することを目的とした。



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