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 New Materials Center



ニューマテリアルセンターの活動成果


制定規格

販売実績

国際会議

二軸バルジ

遮熱コーティング

磁気測定

WAAM積層技術

バイオマス





 ■■NMC が制定に関与したJIS、ISO、IEC規格■■

●JIS  
項 目 制定件数
 形状記憶合金 7
 水素吸蔵合金 6
 耐熱金属材料 13
 金属基複合材料 9
 金属の熱物性 1
 超塑性材料 6
 極低温材料 3
 金属触媒材料・超微粒子 7
 生物忌避材料 1
 硬さ試験方法 2
 金属間化合物 2
 輸送機器用軽量化板材(高強度アルミニウム合金・高張力鋼) 3
 マグネシウム 1
 アモルファス金属 4
 金属系超電導材料 5
 原子力用材料(放射性廃棄物貯蔵材料) 2
 クラッド材料 1
 制振材料 2
 ガスタービン用遮熱コーティング/傾斜機能材料 7
 表面化学分析 11
 ポーラス金属 4
 磁性材料 1
 規格様式 1
合 計 99

●ISO/IEC
項 目 制定件数
 超塑性材料 1
  輸送機器用軽量化板材(高強度アルミニウム合金・高張力鋼) 2
  金属系超電導材料 9
  表面化学分析 21
  ポーラス金属 2
  ガスタービン用遮熱コーティング 7
  磁性材料 2
合 計 44

規格の詳細はこちらをご覧ください





金属系新素材関係の JIS販売実績推移(部数)

JIS販売実績表

2024年度の販売傾向:
前年度と比較してほとんどの分野で販売数にほぼ変化はなかったが
2025年3月に制定した「遮熱コーティングの高温熱伝導率測定方法」が292部売れたため
ガスタービン用遮熱コーティング分野の販売数が増加した。

なお、この販売実績は、2019年度分からJSAライブラリサーバ(ネット上で規格を閲覧できるサービス) 契約数を含む。

JIS販売実績グラフ



IEC/TC68 国際会議の開催

TC68-1 TC68-2

 

 

 

 

 

 





ニューマテリアルセンターが事務局となり2022年に大阪科学技術センターで開催した
IEC/TC68(磁性合金及び磁性鋼)国際会議。
ハイブリッド形式で12か国から67名が参加し、会議・イベント共に好評の内に終了した。



ISO/TC107 国際会議の開催

TC107-1 TC107-2

 

 

 

 

 

 

 

 


ニューマテリアルセンターが事務局となり2011年に大阪科学技術センターで開催した
ISO/TC107(金属及び無機質皮膜)国際会議。
9か国から過去最高の76名が参加し、会議・イベント共に好評の内に終了した。

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■■2024(令和6)年度に実施した事業■■

輸送機器用軽量化板材の二軸バルジ試験方法の国際標準化
(経済産業省委託)

1. 背景
地球温暖化対策には輸送用機器の軽量化が急務であり、 アルミニウム合金板及び高強度鋼板(ハイテン) の使用拡大が望まれている。 しかし軽量化板材は延性に乏しく破断し易い、 成形後のスプリングバックが大きいなど、 成形不具合を起こし易く、 自動車等のプレス成形部品への使用拡大の阻害要因になっている。 この難点を解消するには成形シミュレーションを活用して、 成形不具合を事前に予測して成形の可否を判断し、 試行錯誤のない完成品一発生産を図ることが不可欠である。

2. 目標
本事業は、金属板材から製作した円管試験片に、 軸力と内圧を負荷・制御して任意の二軸応力状態下で、 降伏から破断までの大ひずみ範囲の応力― ひずみ曲線と成形限界を測定できる二軸バルジ試験方法を国際標準化する。 それにより成形シミュレーションを高精度化して 軽量化板材の使用を拡大する。

3. 2024(令和6)年度の成果
2024年度は、3年間の事業の最終年度にあたる。 本事業の目標であるNP(New Project:新規PJ) 投票の完了を目標に、活動を推進した。
4月には、フランスで開催されたESAFORM (欧州成形加工科学国際会議)に参加し、 スペインのエキスパートと意見交換して 二軸バルジ試験方法の有効性について理解を得た。
また、インド規格協会と7月にウェブ会議および 10月に訪問による打合せを行い、 意見交換して日本の規格提案に対する理解を得るとともに、 エキスパートを指名した賛成投票を依頼した。
さらに、9月につくばで開催されたISO/TC164(金属の機械試験) /SC2(延性試験)国際会議に参加して本試験方法について講演し、 主要国にその有用性をアピールするとともに日本提案への支持を要請し、 規格化に対する合意を得た。 会議終了後もPメンバー国の関係者と調整、交渉し、 本プロジェクト開発に参加するエキスパートを指名した 賛成投票を依頼した。
国際標準化委員会での審議および国内外のキーパーソンとの意見交換により 精査した提案用規格案を基に、 本試験方法をISO/TC164/SC2に NP提案し、 11月6日〜1月29日の期間で賛否投票が行われた。 投票は事業期間内に完了し、 本事業の目標を達成した。
投票の結果、投票したPメンバー15ヵ国のうち14ヵ国の賛成 および9ヵ国のエキスパート参加を得て、 NPとして承認された。
また、本試験方法の実用化と普及の基盤の整備のために開発・ 改良した普及型二軸バルジ試験機の試験データにより 応力やひずみの測定値の精度を保証するための試験条件を決定した。 さらに、オランダのエキスパートの意見を参考にして、 内圧を考慮した数値シミュレーションを行い、 平面応力状態に対する塑性流動応力の同定精度を高められることを 確認した。 この結果を学会で発表して、 二軸バルジ試験方法の精度と妥当性について発信した。

カーボンニュートラル・タービンの遮熱コ―ティングの 健全性試験方法の国際標準化
(経済産業省委託)

1. 事業の目的
CO2排出量比率が高い火力発電では 発電効率の向上と省エネルギーを図るために、 タービン燃焼ガス温度を上げることが要請されている。 このためタービン翼を酸化・ 腐食から防護してメタル部を低温に保って 強度を保持するための遮熱コーティング(TBC)は、 タービン燃焼ガスの高温化を実現するためのキーテクノロジーであり、 合理的特性試験方法の標準化が不可欠となっている。

2. 2024(令和6)年度の成果
今年度は、経産省の新規国際標準化テーマに採択され、 3年間にわたる事業を開始し、 試験研究内容を検討する健全性評価委員会、 試験研究を実施するワーキンググループ(WG)、 国内のステークホールダーから構成する産学官連携委員会により、 関係者との緊密な連携のもと事業を推進した。
1年目の取組みとして、TBCの健全性を様々な観点から 総合的に検討するために 以下の複数の試験研究を実施してデータを収集した。

1) 非破壊によるTBCの剝離検出に関する試験研究(超音波光探傷法及び赤外線法による測定)
2) TBCの剝離強度に関する試験研究(円環引張試験の実施)
3) TBCの材料劣化及び諸特性変化に関する試験研究(水蒸気酸化による熱伝導率・熱拡散率等の評価)

11月に京都で開催されたISO/TC107(金属及び無機質皮膜)国際 会議に出席し、 Pメンバー国のフィンランド、ポーランド、韓国、 イギリスなどのキーパーソンらと交流を深め 今後のNP提案に向けて協力を依頼して理解を得た。 また、12月に東北大学(仙台)で開催された アジア溶射会議2024(ATSC2024)に参加し、 TBC国際標準化活動などを発表するとともに、 TC107のPメンバーである韓国のエキスパートやTC107元議長らと 親交を深め、 引き続き協力が得られることを確認した。
PWI(予備業務項目)となっているISO/PWI20010: 「X線回折法によるTBCのYSZにおける単斜晶(m相) の体積率決定方法」(2022年度提案) について再度NP提案に向けた取り組みを行うこととした。

高性能永久磁石の高磁界での磁気特性測定方法の国際標準化
(自主事業)

1. 事業の目的
次世代電気自動車、ロボットをはじめ モーターに用いる高性能ネオジム系焼結磁石について、 高磁界での磁気特性を測定・評価する試験法として、 超電導マグネットを使用するVSM(試料振動型磁力計)法を開発する。 この高磁界磁気測定法をIEC/TC68(磁性合金及び磁性鋼) に提案して日本主導の国際標準化を計る。 これによりグローバル市場での日本製磁石の優位性を顕在化させ、 国内関連業界の国際競争力向上に寄与する。

磁石ロードマップ2025

2. 成果
2022年度からは自主事業として、 最終目的の国際標準化を図るべく、 TRを基に作成したIEC規格原案をIEC/TC68に NPとして提案して承認された。
今年度はCDV(Committee Draft for Vote:投票用委員会原案)を作成して承認され、2月20日に次の規格番号およびタイトルでIEC規格として発行された。
IEC 60404-18 Magnetic materials - Part 18: Permanent magnet (magnetically hard) materials - Methods of measurement of the magnetic properties in an open magnetic circuit using a superconducting magnet
(超電導磁石を用いる開磁路による永久磁石の磁気特性測定方法)

WAAM積層造形技術と品質評価技術の確立による ガスタービン燃焼器部品の試作開発
(近畿経済産業局補助事業)

1. 背景
肉盛り溶接技術を3D積層造形に適用したWAAM (ワイヤーアーク・アディティブマニュファクチャリング) 技術は、リードタイムやコストの点で 従来の粉末式3D積層造形技術よりも優れている。 ガスタービン燃焼器用出口フランジは、 従来ニッケル合金の圧延板材を加工して製品化しているが、 歩留まりが悪い上に納期が長いため、 WAAMによる製品化が顧客より期待されている。

2. 目標
本研究開発では、WAAM製法における技術的課題を解決し、 対象とする出口フランジを試作し、 試作品の特性解析を行うと共に、 従来品と比較して品質および性能面で問題ないことを確認する。 また、内部欠陥の検査方法の確立により品質保証体制を構築し、 ガスタービン燃焼器部品への適用を目指す。

2. 2024(令和6)年度の成果
2023年度に新規テーマとして提案し、採択された。 シモダフランジと大阪大学により、 造形体の冷却方法の確立および溶接欠陥を低減する造形手法 の確立を行いガスタービン燃焼用出口フランジの試作開発を行った。 また、試作した出口フランジに対し、 放射線透過試験または超音波探傷試験で 有効な欠陥検出方法を調査し、 内部欠陥の検出方法を確立した。

脱炭素社会実現に貢献する次世代バイオマス発電用ボイラーに用いる 高耐食性被膜の開発
(近畿経済産業局補助事業)

1. 背景
世界的なカーボンニュートラルの流れの中で バイオマス発電の普及を妨げている要因の一つが ボイラー管の寿命である。 従来のボイラー管は、 鋼管の表面にインコネル625を溶接肉盛りで被覆していた。 現在、この被膜が最強の被膜である。 しかしながら、塩素濃度が高いバイオマス発電では、 2年〜5年の寿命しかなく、 長期間持つ被膜材料が求められている。

2. 目標
現在バイオマスボイラーは、長期間使用するために インコネル625の肉盛溶接がなされている。 バイオマスボイラーの市場は2倍以上に伸びる予測であるが、 塩素成分を主体とした腐食環境がより厳しくなり インコネル625以上の耐腐食材料が 発電所やボイラーメーカーから求められている。 そこで現在開発中のバイオマスボイラー用材料を最適化し 10年以上の寿命を持つ新たな被膜を実現する。

3. 2024(令和6)年度の成果
2024年度に新規テーマとして提案し採択された。 大阪富士工業、大阪公立大、大阪大学、兵庫県立大、 兵庫県立工業試験センター、 大阪産業技術研究所により研究開発を進めた。 インゴットによる大まかな成分評価を実施し、 肝となる成分量の傾向を見定め新たな候補材を製作した。 また開発材のワイヤー製作を実施した。 更に、 実環境に近い腐食試験装置であるボイラーシミュレーターを製作し、 それにより大まかな材料選定と粉末製作、 ワイヤー製作、実仕様試験の目標を達成した。

▶設立 (1986/昭和61年度)以降に実施した受託事業の成果報告書一覧

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