様々な合金系の中から、水素燃料電池自動車や水素エンジン自動車などの運転条件に適合すると考えられる、常温常圧領域での水素放出可能な特性を持った実用的な標準水素吸蔵合金を選定した。選定した合金組成を 表 1-1 に示す。
| 表 1-1 標準水素吸蔵合金組成 | |
| 合金組成 | |
| @ | LaNi4.8Al0.2 |
| A | MmNi3.79Co0.60Mn0.56Al0.05 |
| B | MmNi3.79Co0.6Mn0.56Al0.05(Atomizing) |
| C | Ti0.5Zr0.5Ni0.85Mn0.7V0.25Cr0.2 |
| D | Ti0.515Zr0.485Mn1.2Cr0.8Cu0.1 |
| E | Ti10V80Cr10 |
| F | Ti12.5V73Cr12.5Mn2 |
| G | Ti0.5Zr0.5Mn0.4Cr1.2Cu0.05Fe0.3Ni0.1 |
標準水素吸蔵合金を選定した機関を以下に記載する。また、それぞれの標準水素吸蔵合金に関連した参考文献および特許を文末に記載したので参照して頂きたい。
| <選定機関> | ||
| 標準水素吸蔵合金 | @ | 日本重化学工業株式会社 |
| A | 日本重化学工業株式会社 | |
| B | 住友金属工業株式会社 | |
| C | 松下電器産業株式会社 | |
| D | 松下電器産業株式会社 | |
| E | 株式会社イムラ材料開発研究所 | |
| F | 株式会社イムラ材料開発研究所 | |
| G | 日本重化学工業株式会社 |
表 1-2 に標準水素吸蔵合金の諸特性をデータフォーマット形式で表したものを示す。合金の作製は標準合金Bがガスアトマイズ法により作製し、その他は全てアルゴンガス雰囲気中のアーク溶解により作製した。熱処理は 表 1-2 の備考欄に記している条件で行った。標準水素吸蔵合金は全て常温常圧領域での水素放出可能な特性を持った合金であり、具体的には40℃での水素放出圧力が0.1MPa程度の値を有している。
図 1-1,-2,-3,-4,-5,-6,-7,-8に各合金の20℃,40℃,60℃の PCT特性図を示す。試料の前処理として活性化処理を行った後、水素加圧と真空脱気を3回繰り返して安定化処理を行い、80℃で3時間真空脱気後にPCT測定を実施した。得られた測定結果から、最大水素吸蔵量,平衡圧力,プラトー係数,ヒステリシスファクターを求めた。PCTの測定はJIS H7201-1991「水素吸蔵合金の圧力−組成等温線の測定方法」5)に規定されている真空原点法により7Nの高純度水素を用いて行った。
図 1-9,-10,-11,-12,-13,-14,-15,-16は各温度で測定したPCT特性図から平衡水素圧を読み取り、プロットしたP-T特性図である。P-T線の傾きから水素化物の生成熱量を求めた。
図 1-17 に理学電機(株)製のRINT2000(Cu-Kα)による粉末X線回折測定結果を示す。この回折データから各合金の格子定数を求めた。