昨年度は、標準的な評価装置、評価方法を確立し、標準水素吸蔵合金ユニットおよび水素吸蔵合金のデータフォーマットを作成した。 その結果、標準水素吸蔵合金ユニットを使用した評価方法が自動車用水素貯蔵システムに用いる水素吸蔵合金の評価に有用であることが確認された。 今年度は、様々な合金系の中から常温常圧領域での水素放出可能な特性を持った実用的な標準水素吸蔵合金を8種類選定し、標準ユニットによる代表的な特性データの取得を実施した。 また、併せて合金自体の水素吸蔵速度、および水素放出速度をJIS H7202-1995に規定されている評価方法を参考にして測定し、標準ユニットとの比較を行なった。
水素吸蔵速度は、JIS H7202の評価方法により測定した合金自体の吸蔵速度(図 2-20)と、標準ユニットによる吸蔵速度(図 4-31、図 4-32)がほぼ同一の傾向となった。 また、水素放出速度も、合金自体の放出速度(図 2-21)と、標準ユニットによる放出速度(図 4-33、図 4-34)が同一の傾向となった。 このことから、JIS H7202に掲載されている十分な熱交換性能を持った評価用容器と同様に、今回使用した標準水素吸蔵合金ユニットの水素吸蔵・放出速度は、合金自体の吸蔵・放出速度と同様の傾向になることが確認された。 ただし、水素放出試験の場合は、実際に水素貯蔵用タンクを自動車へ搭載しての水素放出は、今回の試験と同様な水素流量を制限せずに放出させるということは無く、路上を走行する場合を想定した負荷モードによる流量制御をするため、その負荷モードに合った条件で試験を行なう必要があると思われる。
実用的な標準水素吸蔵合金ユニットを用いて、今回の試験で確立した標準的な評価方法により、様々な合金系の標準水素吸蔵合金の比較検討が可能であることが確認された。