第一部では、講師より「淹れ方で味も機能もパワーアップ」として、ご講演頂きました。
緑茶、烏龍茶、紅茶は同じ種の葉で作ることができるが、品種によって向き不向きがあり、緑茶は約100種類の茶品種のうち、「やぶきた」が約75%を占めています。
日本茶製造の特徴としては、葉を蒸して、揉んで乾燥させる製法で、蒸し時間によって味や香りが変化します。
緑茶、烏龍茶、紅茶の違いは、葉に含まれるカテキンが酸化される程度の違いで、紅茶にはほとんどカテキンが含まれていません。
農研機構で栽培されている品種「べにふうき」は、カテキンの中でも、抗酸化作用が最も強いエピガロカテキンガレート(EGCG)が他の品種より多く、さらに長期飲用で花粉症の症状緩和に効果があるメチル化カテキンが含まれており、渋みの強いお茶です。
これまでに報告されてきたお茶の効果の多くは、お湯で淹れた苦みや渋みの強い「カフェイン」や「カテキン」の効果であり、緑茶は淹れ方の違いで抽出される成分が異なります。
冷水で時間をかけてじっくりと淹れた「水出し緑茶」は、免疫力をアップさせる、渋みの少ないエピガロカテキン(EGC)やストレス軽減効果のあるテアニンはお湯で淹れたときと同様に抽出されます、これらの効果を弱めるEGCGやカフェインは「水出し」ではあまり抽出されないので、効果が高められることになる、などのご講演を頂きました。
第二部では、ファシリテーターと参加者からの質問を交え、日本茶について様々な切り口からの質疑応答がありました。
「べにふうきを試飲して、自身はお茶を飲んでいる満足感があったが、皆さんにとっては非常に渋いと感じておられるのでしょうか?」との質問に対しては、「お茶の香りや味の感じ方は個人によって差があり、おいしいと感じるお茶は人それぞれで違いがある。」と回答頂きました。
講演の前後と休憩時間には、(株)福寿園のご協力を得て、栽培法、製法の違いによるお茶の種類の解説と、実際に茶葉を使用し、香りと味を審査する方法(官能検査)を体験。講演の際に解説のあった、「べにふうき」と「さえあかり」を物部先生より提供いただき、試飲を行いました。参加者からは、「水出し緑茶の効用を初めて知りました」「免疫を高めるメカニズムがわかった」などのコメントを頂きました。 |
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講師:物部 真奈美 氏 |
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ファシリテーター:向かって右側より
井奥 加奈 委員(大阪教育大学)
穐田 詩織 委員(関西電力(株))
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